木版サイン北尾重政 　　紅梅と馬

　　作家名：北尾重政
　　作品名：紅梅と馬
　　技法：木版
　　サイン：版上
　　シートサイズ：２９，５Ｘ２１ｃｍ
　　イメージサイズ：２７Ｘ２０，５ｃｍ
　　作品の状態：しみあり
　北尾重政は元文４年（１７３９）江戸小伝馬町の書肆、須原屋三郎兵衛の長男として生まれる。父の三郎兵衛は大阪の版元、須原屋茂兵衛の雇用人であったがのれん分けで独立したという。重政は幼いころから本に囲まれて育った影響もあって１０歳のころには当時流行した紅摺絵の絵暦の版下を描くようになった。特定の師匠について絵を学んだ経歴はないが、始めは狩野派風の絵を学び、西川祐信や鳥居清満の画風を取り入れ、鈴木春信や勝川春章の影響も受けたようだ。安永５年（１７７６）に勝川春章との共筆で出版された「青楼美人合姿鏡」は評判を得て、この頃には重政の画風も確立される。
　重政は北尾政演（山東京伝）や北尾政美（後に狩野派の絵師に転じて鍬形蕙斎と名乗る）らの弟子を育て浮世絵界で北尾派の一派を成す。ただし自身は生涯にわたって一枚絵の浮世絵よりも絵本や黄表紙などの挿絵を多く描く。これは書肆の子として生まれた影響からか「本」にこだわっていたようだ。また絵に劣らず「書」も優れ、俳諧にも通じていたという。文政３年（１８２０）８２歳で没する。