慶安3年(1650)「源氏物語」夕霧の巻の原本・手彫の袖本・墨刷(古切・断簡)エンタメ/ホビー

１・商品の内容　8-B
出品した商品は「源氏物語」夕霧の巻の原文です。「夕霧の巻」の主人公「夕霧」は、国宝「源氏物語絵巻」の中に柏木を見舞う夕霧として描かれております

２・商品の説明
出品した商品は「源氏物語」のうち「夕霧の巻」の墨刷（木版）です。官製はがきより小さな「袖本」と呼ばれ嫁入り前の大名の姫君や皇室の皇女、公卿の子女などが和服の袖に入れて「源氏物語」を親しみ読んだことから「袖本」と称されました。原文は断簡あるいは古切とも称します。
官製はがきサイズの大きさの中に「源氏物語」の原文を手彫りで彫刻されたのちに墨刷されました。日本国内では、手書の文字が重用されますが、海外では手書の文字を「匠（たくみ）」の技で彫り、手書きと変わらぬ精密で精緻に仕上げられた「源氏物語」墨刷が高く評価されております。
彫る時間が手書きの数十倍の時間を要するからです。日本国内で300部程刷られた柔らかい材質の版木はすでに失われ、残された原本も度重なる戦争により失なわれ日本国内では国立国会図書館等に数部確認されている貴重なものです。
原本の和紙は、手漉きの和紙です。「手漉き和紙」は、ユネスコの無形世界遺産に登録されたことでも広く世界に知られるようになりました。出品の原本には、日本文化の古典文化芸術の集積です。現在、日本国内で出品した原本を1点再現するのに熟練した技術者でも1ヶ月以上の時間を要するとされております。

３・自筆の原文の読み下し文及び現代語訳文は、写真に表示しております。
　読み下し文は出品者が訳し、現代語訳文の出典は小学館版「源氏物語」です。
　
4・自筆の希少価値
原本下には「方子(よりこ)」の印があります。出雲藩主・松平治郷の正室・方子です。このことから方子の持物であることがわかります。上部に「篆書体」の印が押捺されております。「人非木石皆有情」人木石に非ざれば皆情あり「人は木や石ではない、心と言うものを持っている」の漢詩の落款。漢詩は「白氏文集」の中の有名一節です。夕霧の巻の一節「岩木よりけになびきがたきは」の一文による。原詩は「木石」であり、夕霧の巻は「岩木」ですが、古来「白氏文集」に由来されているとされる。

5・原本の大きさ　タテ10.0㎝　ヨコ10.2㎝。
額縁の大きさ　タテ21.0㎝　ヨコ15.8１㎝。
直接手にして鑑賞することができます。